あずきちゃん、美術館巡りが好き。
だけどどうしても現代アート( Contemporary art )の良さがわからない。
ドイツで現代美術館に初めて行った時、衝撃を受けた。
これがアート?
なにを伝えたいんだろう。。。
申し訳ないけど、まじでつまらなかった。
一方、一緒に行ったMananaちゃんはめちゃくちゃ喜んでいた。
あずきちゃんの友達に芸大出身のスポンジボブちゃんがいる。
私、現代アートの良さがイマイチわからないんだよね。
ボブ「アートに正解はないと思うよ。」
ボブ「その作品を見て自分が感じたことを大切にすればいいんじゃない?!」
ふーん。。。
ボブ「今、バンクシー展がやってるよ。」
(去年のことです)
バンクシーってあのネズミの絵の?!
ボブ「そう。バンクシーは正体不明のストリートアーティストだよ。」
正体不明ってどういうこと?
ボブ「正体を明かしてないの。バンクシーは地下鉄や、街の壁とか公共の場に絵を書いてるから、合法ではないんだよ。」
ボブ「だから街中で見かける落書きと変わらないって言ったら変わらないよね。」
それなのに有名なんだね!?
ボブ「バンクシーは政治や社会、紛争を批判した風刺画を書いてるんだよ。」
そうなんだ!
気になる。
ってことで、あずきちゃんはボブと一緒にバンクシー展に行った。
まず驚いたのが、日本の美術館なのに撮影OKなこと。
そして一般の美術館には絶対いない、金髪でロックバンドにいそうな感じの若いスタッフが大勢いた。
さすがバンクシー。
展示されていた作品をいくつか紹介します。
「Love is in the air」
パレスチナ自治区のガソリンスタンドに描かれた作品。
少年が持っているのは火炎瓶ではなく、花束。
武器ではなく「愛」を持つことこそが平和への道というバンクシーのメッセージ。
「Bomb Love」
少女が爆弾をテディベアのように抱いている。
愛は戦争を超越する。というバンクシーのメッセージ。
愛情溢れる腕に包まれれば、どれほど強力な爆弾さえも無力化できるかもしれない。
戦争には力などなく、ポジティブで正しい行動だけが勝利をもたらすことができる。(と、解説オーディオが言っていた。)
「THE WALLED OFF HOTEL」
バンクシーがベツレヘムにオープンした「世界一眺めの悪いホテル」
なぜ「世界一眺めの悪いホテル」というかと言うと、ホテルはイスラエル政府がパレスチナとの間に築いた壁のすぐ隣に建っていて、窓からは分離壁が見えるから。
バンクシールームの壁画には、イスラエル兵士とパレスチナ住民が武器ではなく、枕投げをしている絵が描かれている。
「Christ with shopping bags」
バンクシーは反資本主義でもある。
この作品は、クリスマスの真の意味が捻じ曲げられていることに対して皮肉が込められている。
ところで基本、あずきちゃんは落書きを快く思っていない。
落書きは外観を損ね、治安が悪い印象を与える。
NYで犯罪を減らすために、地下鉄の落書きを消したところ犯罪が減ったという事実もある。
ドイツでも至る所に落書きがあって、「もったいないな〜」と思っていた。
ドイツで桜を見に行ったんだけど、ここでも至る所に落書きが…
このように、街で見かける落書きは良くわからない暗号や文字が多い印象。
一方、バンクシーの落書きは一つ一つに意味が込められている。
(恐らく街中の落書きにも意味が込められているのだろうけど。)
そしてメッセージ性が強い。
バンクシーは作品を通して、人々にこの世界の現状に目を向けさせようとしているのだ。
たとえば、ガザ地区に描かれたネコの絵
バンクシーは以下のように述べている。
“A local man came up and said ‘Please – what does this mean?’ I explained I wanted to highlight the destruction in Gaza by posting photos on my website – but on the internet people only look at pictures of kittens.”
参考:NBC NEWS
地元の人が「この絵はどういう意味だ?」と尋ねて来た。僕はこう答えた。「自分のウェブサイトに投稿して、ガザの破壊された姿に興味を集めさせたいんだ。インターネットの人たちは、いつも子猫の写真ばかり見てるからね。」
バンクシーの活動は非合法であるから、賛否両論がある。
でも、あずきちゃんはバンクシーの作品の数々を見て素直に「すごい」と思った。
絵だけでこんなにもメッセージを発信できるんだ、、、と。
そして正体不明であるにも関わらず、世界中にファンがいて影響力が半端ないということ。
アートって、見る人によって捉え方感じ方が異なる。
それがアートの良さであるのかもしれない。
でも作者は必ず意図を持って作成している。
鑑賞者に伝えたいメッセージを込めている。
だから芸術鑑賞するときは、作成者の意図を汲み取って鑑賞してこそ、作成者の本望でもあると思う。
御言葉も同じで、同じ御言葉を聞いても感じ方は十人十色。
たしかに感じ方、悟り方は自由ではあるけれど、その御言葉に込められた神様の想いを推し量ってこそ、神様の本望である。