ヘイトクライムから考える、の巻

最近アジア系へのヘイトクライムの話題をよく耳にする。

だけど、どこか海の向こうの問題として捉えている人が多いように感じる。

あずきちゃんはいつも思うんだけど、日本人って当事者意識が本当に低い。

近隣諸国で、暴動やジェノサイドが起こっていても他人事。

こんなんだから、我が国のトップの方々がやりたい放題やっても特に大事として捉えないわけだわ。

ヘイトクライムの話に戻すと、実際日本でも多くのヘイトクライムっていうかヘイトスピーチが存在する。

そこで、去年の11月に荻上チキSessionで放送された海野雅威さんの言葉を紹介したい。

海野さんとは、NYで活躍するジャズピアニスト。


画像:TADATAKA UNNO

彼は2020年9月27日NYで黒人の若者集団に襲われ、大怪我を負った。

以前からアジア人差別は存在していたけれど、コロナ禍以降アジア人差別がより顕著になっている。

海野さんが暴行を受けたのも、アジア人、中国系と見なされたのが理由。

以下、海野さんがラジオで語っていた言葉。

一部の人の犯罪でも、「ほれみたことか、○○は悪いんだ」「○○人はダメだ」というふうに一体化してしまうことを危惧しています。

なにか一つの事象が起きたときに、ある人種をすべて否定してしまうような社会情勢に急速に傾いているように感じます。一人一人が思いやりを持ち、ちゃんと判断してほしい。ニュースも切り取られたりしますので。一人一人のリテラシーを高めて、日々勉強していかないといけないところもあります。

また日本にいればアジア人差別は関係ないと思う方もいるかもしれません。
でも例えば、私がニューヨークの街を歩いていて、「ニーハオ」と言われたとして、「俺は中国人じゃないよ、日本人だよ、なに言ってるんだ」みたいな感情が自分の中にあったとしたら、その時点で中国人に対して、かなり軽視しているとか、差別していることになると思います。
日本に住んでいる方で、コロナウイルスのことで、中国人に対して軽視するような人が出ているようにも感じています。「俺は中国人と違うぞ」と日本人を誇りに思うことも違うだろうと私は思っています。

自分は差別していないつもりになっていても、心の中では自然と差別してしまうことが日常でもあると思います。それはアメリカに限らず、世界どこに住んでいても起こります。自分は関わっていないような気持ちでも、優越感で誰かのことを下にみたり、差別したりすることは、日常であることでしょう。自己反省して、よりよいポジティブな世の中にしていくためにも、改善すべきことだと思っています。

あずきちゃんは、海野さんの話を聞いてハッとした。

海外で街を歩いていると「你好」や「アニョハセヨ」とからかわれることがある。

それに対して「日本人だ!」とあずきちゃんはいちいち反応していた時期があった。

自分では日本人としてのプライドがあるからこそ、反論しているつもりだった。

だけど、それは気づかないうちに心の中で中国や韓国を見下していたり差別をしていたのだ。と、海野さんの言葉で知らされた。

また、海野さんのような経験をすると、トラウマで「黒人は怖い」という感情になってもおかしくない。

でも海野さんは決してそういう思考にはならなかった。

私のことをご存じない方も多いと思うのですが、私は2年前に亡くなったロイ・ハーグローヴ(Roy Hargrove)のバンドにいまして、彼はブラックミュージックを代表するようなアーティストだったんですよね。黒人のミュージシャンが憧れ、誇りとする存在でした。その名門バンドの30年の歴史の中で、私初めてのアジア人のメンバーで、私一人だけが日本人で、あとはみんな黒人のメンバーで世界中を周っていました。だから私は、黒人の人には恩があるし、私のやってるジャズは黒人が作ったものであるし、本当にリスペクトしている。だから今回の事件で、「黒人が悪い」というようなことはまったく思っていないんですよね。でもそう「黒人が悪い」と主張したい人が出てきていることに心を痛めています。

実はあずきちゃん、スペイン人をよく思っていない時期があった。

それはあずきちゃんが二十歳の頃。

ベルリンの壁崩壊20周年の時に友達4人とベルリンを訪れた。

画像:Frankfurter Allgemeine

予約したホステルに行くと、ホステル側のミスでダブルブッキングに。

ベルリンの壁崩壊から20周年という節目だから、どこのホテルも満室。

その上、11月のドイツはとても寒いから野宿するわけにもいかない。

あずきちゃんたちはこのホステルの階段で夜を明かすことにした。

「さっさと出ていけ。」

ホステル側のミスにも関わらず、ホステルの男は追い出そうとする。

でもあずきちゃんたちは数時間、頑なに動かなかった。

「お金も払ってないんだから出て行け。」

あずきちゃんたちはずっとシカトを貫いてた。だけど、ホステルのミスなのにこの男は悪びれる様子もない

あんたたちのミスなのに、その態度は何? あんたのボスに言ってやるから。

「それだけはやめろ。」

「日本人は、畳の上で寝るんだよね?部屋に案内するから、そこの床で寝てくれ。お金は要らないから。」

と、コロッと態度を変えやがった。

そして10人部屋に案内され、「この上で寝てくれ」とバスタオル二枚を差し出された。

バスタオル二枚の上で6人で寝ろ、

カチンと来たけど、寒い中 外で寝るよりはマシだ。

するとしばらくしてから6人の酒に酔ったスペイン人が部屋に入って来た。

既に寝ている人もいるにも関わらず、彼らはワイワイ大声で騒ぎ始めた。

あまりにも大声だったから、ホステルの男が注意しに来た。

スペイン人女性「ねぇ、この子たちはなんでベッドがないの?」

と、スペイン女性がホステルの男に絡んだ。

ホステルの男「お金払ってないから。」

余計なこと言いやがって。

スペイン人「はあああああ?!怒」

スペイン人「俺たちは金払って泊まってるのに、なんでこいつらは払ってないんだよ。」

スペイン人たちは陽気な雰囲気から一転して、あずきちゃんたちを罵り始めた。

シャワーを浴びに行くときも、スペイン人たちはわざわざついて来て罵倒し続けた。

騒ぎを聞きつけたホステルの男がまたやって来て、

「このスペイン人たち気が狂ってるね。君たち危ないから部屋を変えてあげる。」

と、隣の棟の部屋を案内してくれることに。

全て、お前のせいだけどな。

スペイン人たちはあずきちゃんたちが部屋を変わるのが気に入らなかったらしく、さらにヒートアップ。

次にあずきちゃんたちが案内されたのは、

男性専用8人部屋。

男性専用部屋の床にバスタオルを敷いて女子5人で寝ろ、だとさ。

もう色々悲しくて、泣きながら床に寝転がったその時…

ドンドンドン

「お前たち、ここにいるんだろ?」

スペイン人たちがしぶとく追っかけて来た。

「出てこないと火をつけるぞ」

最終的にはインドネシアの男性が彼らをなだめてくれてあずきちゃんたちは助かった。

この出来事以降、あずきちゃんはスペイン人に良い印象を持てなかった。

あずきちゃんの脳には「スペイン人=凶暴」という認識がついてしまったのだ。

ある日、イギリスであずきちゃんはスペイン人のおじさんに声をかけられた。

げ、、、スペイン人か。。。

でも話してみたら、気さくでめちゃめちゃ親切だった。

語学学校で仲良くなったスペイン人も優しい子だった。

あずきちゃんは学んだ。

主語を小さくしなければいけない、と。

「スペイン人は凶暴」

ではなくて、

「ベルリンで会った6人のスペイン人は凶暴」と。

主語を大きくして考えると、悪い先入観を持ってしまうし、誤解が生まれる。

自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ

マタイによる福音書 22:39

参考:特集「ジャズピアニスト・海野雅威さんインタビュー~ニューヨークでの集団暴行、人種差別、ヘイトクライム」2020年11月11日放送分

 

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