縁の下の力持ち、の巻

中学の部活を決めるとき、友達が吹奏楽に入ると言った。

あずきちゃんも吹奏楽にしよっかな〜

吹奏楽には可愛い先輩が多いことを知って、入部を固く決心した。

担当楽器を決めるとき、あずきちゃんは悩んだ。

サックスもかっこいいし、トランペットもかっこいいし、パーカッションもかっこいいな〜

というより、

サックスのA先輩 可愛い♡
トランペットのB先輩 可愛い♡
パーカッションのC先輩 可愛い♡

A先輩かB先輩かC先輩、どの先輩にしよう。。。

あずきちゃんは可愛い先輩に近付くことを目的に楽器選びをした。

苦渋の決断だけど、A先輩がいるサックスにしよ〜

そして、サックスの中からアルト、テナー、バリトンを一つを選んで希望を出さなくてはいけない。


出典:Tokyo Disney Resort
( 左からソプラノ、アルト、テナー、バリトン )

サックスは一番倍率が高い。

あずきちゃんは厳しい争いを避けるためにサックスの中でもあまり人気のないバリトンを選んだ。


出典:株式会社 永江楽器

見事、選考通過。

わぁぁい、これで可愛いA先輩に近づける〜

あずきちゃんの願いは叶い、A先輩と仲良くなれた。

しかし。。。

バリトンサックスの重さは約6kg。

ケースに入れて持ち運ぶと、10kg以上もの重さになる。

しかも大きい分、肺活量も必要。

しっかりした音が出るようになるまで、あずきちゃんは苦労した。

そんな大変な想いをして演奏している割には、バリトンは影が薄い。

アルトやテナーは主旋律でソロも多くて脚光を浴びる。

一方バリトンは低音で副旋律。他の楽器を引き立てる脇役と言っていいだろう。

なんか、つまんない。

あずきちゃん(バリトン)がいなくても曲は成り立つし、やりがいを感じられない。

熱い想いがあって吹奏楽に入ったわけじゃないけど、やっぱり主旋律を吹いてみたいという願望はあった。

それに、チヤホヤされるアルトとテナーが羨ましかった。

あずきちゃんの学校の吹奏楽は弱小校で有名。

幸運なことにも、あずきちゃんが在籍中には全国大会の手前まで出場するまでになっていた。

その全国大会の手前の大会で、偶然にもあずきちゃんたちが演奏する曲の作曲家が審査員であった。

全身ガクブル。

まぁ結果は良くなかったんだけど、例の審査員の方がコメントをくれた。

「バリトンがとても安定している。このバリトンが基盤を作っているから、他の楽器の音が引き立つことが出来ている。」

そう、全体へのコメントではなくて、あずきちゃんに向けてのコメントだったのだ。

あずきちゃんは、縁の下の力持ちだったんだ。

バリトンは主旋律でもないし、ソロを吹くわけでもないから、上手いも下手もないと思っていた。

それに、あずきちゃんじゃなくても誰でも代役として務まるでしょ、って。。。

バリトンという大きな楽器を吹いてるくせに、あずきちゃんはちっぽけな存在だと思い込んでいたのだ。

吹奏楽は、一人一人が奏でる音が一つの曲を作る。

主旋律が注目されがちだけど、曲は主旋律だけで構成されているわけではない。

表に出ないとしても、誰一人として欠けてはならない重要な役割を担っているのだと、あずきちゃんは気付いた。

人が分かってくれないところがある。それが、埋もれている石と同じだ。それによって上に立てるものが輝く。
上が丈夫なのは、下に硬いものを下に置いたからだ。

あずきちゃんは自分に自信がないから、今でもなかなか自分を認めることが出来ない。

仕事においても、信仰においても。

果たして、あずきちゃんは何か貢献出来てるのだろうか?

と、よく考える。

あなたたちは、よくできなかったことだけを考えて落胆するのか。よくやったところは考えないのか。それが弱点だ

パワーショベル、大きいものが大きい仕事だけをするのではありません。
みなさんも、「小さいからできない」と言わないでください。パワーショベルも、ちっちゃいものがあります。それもよく働くのです。大きいものが入れないところを全部やります。
自分が抜けたら皆勤賞をもらえません。自分の位置で一生懸命働くべきです。

2020年9月6日 主日の御言葉 「自分の労苦通りに受ける」

もっと自分を認められるようになりたい。

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