プラカード、の巻

ドイツでのバイト先のお客さんで、あずきちゃんと同じ岐阜県出身の70代のおばあちゃんに出会った。

おばあちゃん「今から、クラッシックコンサートに行くのよ。」

私もクラッシック好きです。

おばあちゃん「これまた偶然ね。私、毎週コンサートに行ってるんだけど、毎回無料で聴いてるのよ。」

無料?!
なんでですか?

おばあちゃん「会場の前で ” チケット譲ってください” って書いたプラカードを掲げていると、チケットを譲ってもらえるのよ。」


さすがですね。

おばあちゃん「若い頃からずっとやっているんだけど、そこで多くの人と仲良くなれたわ。」

明るくて人柄が良いから人が集まってくるのでしょうね。

おばあちゃん「もしよかったら今度あなたも一緒にどう?」

私もプラカードを掲げるってことですか?

おばあちゃん「もちろんよ。あなただったらすぐに譲ってもらえるわよ。」

ちょっと図々しくないですか?笑
自分で購入した方が…

おばあちゃん「私、携帯電話も固定電話もパソコンもないから連絡が取れないんだけど、大体毎週木曜日、コンサート会場の◯◯側にプラカード掲げてるから、来たくなったらおいで。」

このおばあちゃん、ドイツの大学を卒業してからずっとドイツに住んでいるらしい。

約50年前に海外の大学に留学するくらいだから、只者ではない。

このおばあちゃんに興味があり、たくさん聞きたいことがあったんだけど、なんせこのおばあちゃんはよく喋る。

ずっと喋りっぱなしだから、あずきちゃんが質問する隙がなかった。

おばあちゃん「あ、もうこんな時間! コンサートに間に合わないからそろそろ行くわね。」

と、去って行った。

ただでクラシックの音楽を聴けるなんて魅力的だけど、あずきちゃんにはプラカードを掲げて、見知らぬ人からチケットを譲ってもらう勇気などない。

勇気というよりも抵抗がある…

プラカードと言えば、ビッグイシューの販売員さん。


出典:日本経済新聞

みなさんはビッグイシューをご存知?


出典:THE BIG ISSUE ONLINE

定価450円の雑誌『ビッグイシュー日本版』をホームレスである販売者が路上で売り、230円が彼らの収入になります。最初の10冊は無料で提供し、その売り上げ(4,500円)を元手に、以降は1冊220円で仕入れていただく仕組みです。

販売者は、現在路上で生活しているか、あるいは安定した自分の住まいを持たない人々です。住まいを得ることは単にホームレス状態から抜け出す第1歩に過ぎません。そのため、販売により住まいを得た後も、必要な場合にはビッグイシューの販売を認めています。

参考:THE BIG ISSUE

販売員さんの中には、路上で販売することに抵抗を持って始めた人もいるだろう。

ビッグイシューを販売するというのは、「自分はホームレスです」と公言していることだから。

それに、足を止めて購入してくれる人もいるだろうけれど、大半の人は素通りしたり、ジロジロ見てくる。

一日中、売り場に立って販売しても一冊も売れない日もある。

でも、天気や気候関係なく、販売員さんたちは自分の持ち場でビッグイッシューを売っている姿をあずきちゃんは見かける。

あずきちゃんは、販売員さんを見かけるとビッグイシューを購入するようにしている。

そして、スモールトークをする。

あずきちゃん自身、他人からの温かい一言が嬉しいと感じるからね。

ある人はこう言っていた。

「自業自得でホームレスになったのだから仕方ない。」

でもあずきちゃんはそう思わない。

今日のコロナのように、予想もしていなかった事態が突発的に起こり、ホームレスになった人もたくさんいる。

もしくは、信頼していた人に裏切られて無一文になってしまったり…

あずきちゃん自身もコロナによる業績悪化で、現在 希望退職を募られている。

過去、信頼していた人に騙されて詐欺に遭ったこともある。

多額の仮想通貨を失ったことも。

だからほんの少しではあるけれど、ホームレスの人たちの気持ちがわかるつもりだ。

明日は我が身。

生きていると本当にいろんなことが起こる。

先月、名古屋のお友達が「夜のパン屋さん」を教えてくれた。

「夜のパン屋さん」で困窮者支援 「ビッグイシュー」が開店 食品ロスも削減 東京

これはビッグイシューが生活困窮者支援のためと食品廃棄量を減らす試みとして、都内のパン屋さんで売れ残りそうなパンを再販売するというもの。

あずきちゃんは先日行ってきた。

すでに行列が出来ていたから並んだ。

でも、あずきちゃんが並んでいたのはラーメン屋さんの行列だったっていう。。。

順番が来る前にパンが売り切れてしまうこともあると聞いていたから、思いがけない時間のロス。

気を取り直して、夜のパン屋さんの列に並び直した。

多少時間をロスしたものの、無事パンをGET。

あずきちゃんが購入したのは、渋谷にあるPain au sourireというパン屋さんのパン。


出典:Pain au sourire公式サイト

この日は、全部で8つの都内のパン屋さんのパンが販売されていた。

あずきちゃんの順番になった頃には、すでに売り切れていたものもたくさんあった。

(お茶と缶バッチももらったよ。)

あずきちゃんの後ろにも大勢の人が並んでいたから、ゆっくり選ぶことは出来なかったけれど、気になっていた夜のパン屋さんに行けて満足。

日本では年間、約2550万t食品が廃棄されている。

一人あたりの食品ロス量は1年で約48kg。

これは一人あたり、毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てているのと同じ量らしい。
参考:農林水産省

「夜のパン屋さん」は食品廃棄量を少しでも減らすきっかけにもなるし、ホームレスの方々の仕事提供にもなって良い取り組みだと思う。

この世で本当の奉仕はない。

ちり紙を一枚拾うことも、結局はすべて自分のためにすることだ。

善を行っても悪を行っても、あなたに返ってくるのであって、他の人に行くだろうか。

『古木』 鄭範鍚

これは鄭範鍚氏の兄、鄭明析氏が言った言葉で、あずきちゃんにはとても印象的だった。

あずきちゃんも含め、人々は「自分のためではなく人のため」と言ってボランティアや奉仕活動をしたりする。

でも結局、それは自分のため。

他人のためにやったとしても、その行いは結果的に自分に返ってくる。

それが、この世で返ってくる場合もあるし死後の世界でかもしれない。

目には見えないし、実感出来ないけれど、一つ一つの自分の行いが神様に覚えられている。

行い通りに報いられる。

あずきちゃんとしては、決して自分に返ってくるからという理由で奉仕活動をしているわけではない。

でも、あずきちゃんが与えたその奉仕で誰かが喜んでくれ、なおかつあずきちゃんのためにもなるなら、最高だよね。

これからも、小さなことでも出来ることは続けていこう。

ある販売員さんはTwitterで呟いているのでよかったら。

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